石動のブログ

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『SSSS.DYNAZENON』第1回「怪獣使いって、なに?」 感想

 どうも、石動です。

 いやー、ついに始まりましたね、『SSSS.DYNAZENON』。

sasa3655.hatenablog.com

 上の記事で見る前にこの作品への重すぎる期待と不安を長々と書きましたが、そんなちっぽけなものを一瞬で吹き飛ばすくらい、勢いと魅力に満ち溢れた一話でしたね。『SSSS.GRIDMAN』の独特の空気感はそのままに、それでいてこの作品独自の要素も入っていて、とにかく面白かった。

 というわけで、『SSSS.DYNAZENON』第1回の感想を書いていきます。主に先述の「作品独自の要素」についてですね。よろしくお願いします。

 

 

 

SSSS.DYNAZENON DVD2巻(特典なし)

 「人物のアップになる時背景の夜景のピントがズレて六角形の光になる表現懐かしい〜」とか「全員のキャラデザの中に『SSSS.GRIDMAN』のキャラクターを感じてしまう〜」とか「CGのクオリティ上がってる〜」とか、見てて語りたいことは山ほどあるんですけど、1話を見てて一番感じたのは、やっぱり『SSSS.GRIDMAN』の類似点と相違点。それは自分が『SSSS.GRIDMAN』信者だからどうしてもそれの続編であることを意識してしまう、というのもあるとは思いますが、恐らくそれだけじゃなくて。他でもない作り手が、『SSSS.DYNAZENON』は『SSSS.GRIDMAN』の続編だという事実を大きく意識したうえで作品の諸要素を考えているように感じるんですね。

 まず前作との類似点だと、先述の山ほどある「見てて語りたいこと」、つまりは演出面やデザイン面のものが挙げられますが、これに関してはまあ普通かな、と。続編になっていきなり全体の空気感やビジュアルの方向性ががらっと変わる作品の方が少数派ですし。

 僕が作り手の意識を強く感じたのは、前作との相違点なんですね。具体的に言うと、お話に出てくる登場人物達の境遇。そこに、前作とは反対のベクトルが存在しているように感じました。

 

 まず大前提として、『SSSS.GRIDMAN』という作品は「新条アカネの物語」であるのと同時に「普通の人の物語」なんだと僕は捉えています。

 メインの登場人物達──裕太や六花、内海は、普通の人でした。毎朝学校に通って、授業を受けて、友達と昼飯を食べて、放課後は友達と飲食店でだべったり、好きな特撮作品を見て目を輝かせたりする。どこにでもいる、それ以上でも以下でもない存在。実はその全ては新条アカネによって作られたモノで、その点では全然「普通」ではないものの、新条アカネが彼らに与えた設定自体は何処までも「普通」でした。

 その性質は、『SSSS.GRIDMAN』の物語が始まっても変わりません。怪獣に襲われ、グリッドマンに変身し(グリッドマンに変身する友達を見守り)、グリッドマン同盟を組み、自分達の世界が新条アカネに作られたモノだと知っても、彼らは「普通の人」であり続ける。よくあるアニメや特撮のように、めざましい成長や活躍が訪れることはなく、戦いに貢献することがあっても、その方法は「パソコンで文字が打てる」「たまたま小銭を持っている」「ジャンクが置いてある店の携帯番号を知っている」といったそこにいれば誰にでもできる方法のみ(雨宮監督も公式読本のインタビューで確か意識的にそういう方向性にしていたと言っていましたね)。だからこそ終盤の精神性だけで夢から目覚めたり新条アカネを説得したりするシーンやマックスさんの「見ていることしかできないなら、ちゃんと見ていてやれ」というセリフが効いてくるし、作品全体としての抑制された空気感とリアリティのある日常感が物語と融合していく。

 

 

怪獣使いって、なに?
 では、『SSSS.DYNAZENON』の登場人物達はどうなのか。あくまで1話の時点での描写からの推測になるのですが、少なくとも今の段階での彼らは「普通の人」ではない、と僕は思います。

 怪獣使いを名乗り、恐らくハイパーワールドと何かしらの繋がりがありそうなガウマは勿論、どうにも母子家庭っぽい(あと母親が男の人──再婚相手候補らしき人──と会っていることに少し嫌悪感がある?)蓬、守る気のない約束を繰り返し「私はどうかしてるんだよ」と言う夢芽(お姉さんが何かあったっぽいけど噂になっていた自殺した生徒ってもしかして…)、ニートの暦、彼の部屋に入り浸る不登校のちせ──メインキャラクターの誰もが、何か暗くて重いものを抱えているのが仄めかされてるんですね。

 そんなある意味で「普通じゃない」「特別」「どうかしてる」彼らだからこそ、『SSSS.GRIDMAN』の裕太や六花、内海と違って、「みんなで」ダイナゼノンというヒーローに乗り込み、グリッドマン同盟よりも近い位置で戦いに関わることになるんじゃないかな、と。つまり、『SSSS.GRIDMAN』が「普通の人の物語」だとしたら、『SSSS.DYNAZENON』は「普通じゃない人の物語」なんじゃないかな、と。

 ただ、先ほども書いた通り『SSSS.GRIDMAN』で重要な役割を果たしていた抑制された空気感とリアリティのある日常感がそのまんま引き継がれているので、そこまで「普通じゃない」「特別」なことに拘る作風になるのか?という疑問もあって。それに、「特別」「普通じゃない」と表現しましたが、悲しいことにニート不登校も母子家庭も日本じゃありふれたものなんですよね。これからを見てみないとわかりませんが、もしかしたらその「特別」「普通じゃない」世界を「普通」として受け入れていく物語になるのかもしれません。

 

 

 

 

 というわけで、『SSSS.DYNAZENON』第1回の感想でした。感想というより最早推測だな…という感じでしたが、書いてて「こんなにも語れるとは、この時点で『SSSS.DYNAZENON』に自分がハマりまくってる証拠だな…」という実感が増しました。第2回も同じくらい情報量が多いといいなと期待してします。

 では、第2回の感想でお会いしましょう!(今回で打ち止めの可能性もある)

 

 

続きました↓

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