石動のブログ

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『NARUTO -ナルト-』 好きなシーンランキング!!!

 どうも、石動です。

 

sasa3655.hatenablog.com

 前回『NARUTO』の総括ブログを書いてから結構経ちましたが、今回は個別シーンの感想です。やっぱり少年漫画である以上は瞬間瞬間の盛り上がりは大事ですし、総括では取りこぼしてしまった部分についても語っていこうかなと思います。

 というわけで、早速『NARUTO』好きなシーンランキング、行きます! 「シーン」という大雑把な括りなので、ものによって長かったり短かったり戦闘シーンだったりそうじゃなかったり「シーン」の指す範囲が曖昧だったりしますが、とにかく好きなシーンを語っていきます!

 

(あと一応、このランキングは比較や順位付けによって特定のシーンを貶めたりする意図は勿論ありません。あくまでお遊びとして、そして個別のシーンを語るための形式として、ランキングを楽しんでいただければ幸いです)

 

 

第10位 サイ編のラストシーン

NARUTO―ナルト― モノクロ版 35 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 サイ、総括ブログでは1ミリも触れられなくてごめん……。

 ナルト・サクラ・サスケに続く、新第七班のメンバーたるサイに関するエピソードのラストシーンですね。最初はナルトともサクラとも衝突ばかりで、裏ではダンゾウと繋がり怪しい動きすら見せていた彼が、兄であるシンとの過去の思い出や、いくつかの戦いを経て彼らとの友情を育み、ついに真の意味での「仲間」になる。本当は繋がりを求めていたサイがそれを思い出せた、そんなシーン。

 お話の内容自体もとても好きなんですが、自分的には一番刺さったのはラストシーンの演出。サイが望んでいた他者との繋がりを手に入れられたということを、サイがナルトやサクラのことを見ている窓に「仲間」と書かれた絵巻をかける(窓から見える風景を絵に見立ててタイトルをつける)動作で表現するのが、本当に何度読んでも染みてしまうんですね。サイの忍術やシンとの過去で重要な意味を持った「絵」の要素を活かしに活かして余韻を残す演出があまりにも良すぎる……と。初期は言葉としてしか理解していなかった「仲間」を、サイが本当に手に入れられたんだなというのも感慨深くなれる。

 『NARUTO』、映像的な表現を追求した結果わかりにくかったりシュールになってしまったりする場面もなくはないんですが、それと同時に岸本先生の抜群の演出力が発揮された名シーンも数多くある。その演出力の高さの象徴として、自分の中でこのシーンは記憶に残ってます。ここで友情を深めたサイが、後にナルト・サクラ・サスケの関係に変化をもたらしてくるのも好き。

 

 

第9位 旧第七班VS大筒木カグヤ

NARUTO―ナルト― モノクロ版 71 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 総括ブログでもちょっとだけ触れましたが、カグヤ戦、ラスボス戦としてあまりに完成度が高すぎる。自分が最終決戦に求めてるものが大体ありました。『NARUTO』はレンタルで読んだのですが、このバトルの大半が収録されている七十一巻は読み終えた翌日くらいに書店ですぐに買いに走りました。それくらい、自分のラスボス戦の理想に近くて。

 まず、参戦するのが旧第七班+改心したオビトなのがあまりにも良い。初期のメンバーに、罪を犯してしまったオビトが贖罪の機会を果たすと同時に未来を託す。そして託された第七班が、最高のチームワークで最悪の敵を倒す。その構図が、王道だけれど何よりも納得がある。

 加えて、参戦した四人全員が、自分の能力を活かした活躍をしてるのも良いんですよね。六道の力を手に入れたナルトとサスケは言わずもがな、終盤では置いてかれ気味で影も少し薄かったサクラも、百豪のチャクラでもって別空間に飛ばされたサスケの救出に活きてくる。そしてカカシは、オビトに託された写輪眼でもって、「写輪眼のカカシ」というかつての異名に違わない実力を見せつける。神威を連発しまくる姿は流石にやりすぎに見えるしオビトから託される展開もかなりオカルトなんだけど、個人的にはそれでもカカシの個性とオビトとの関係を活かしてくれたことが嬉しかった。

 いやとにかく、本当に理想のラスボス戦でした。

 

 

第8位 ナルトVSサスケ(サスケ奪還編)

NARUTO―ナルト― モノクロ版 27 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 イタチへの復讐のため他者との繋がりを断ち切らんとするサスケと、やっと手に入れた繋がりに手を伸ばすナルト。友情で結ばれた二人が、かつてマダラと柱間が決着をつけた終末の谷で、対峙する。

 総括ブログの方では全体の流れの中で「繋がり」に対するアンチテーゼを示したシーンとして触れましたが、その役割抜きにしても、ナルトとサスケの関係の最初の決着としてあまりに好きすぎる。良すぎる。

 このバトルの良さを構成する要素って二つあると思っていて。ひとつがお話の軸となっているサスケの心情描写の丁寧さ。家族との折り合いに悩んだり、それでも兄と父の背中を追いかけたり、等身大で普通の人生を、必死に生きてきたサスケの少年時代。それを描いたうえで、ある日突然イタチによるうちは一族の虐殺で全てを失ってしまう様を、過去回想でもって本当に丁寧に描いている。だからこそ、サスケの復讐への悲愴な覚悟に、どうしようもなく感情移入してしまう。

 そしてそのうえで、そんなサスケの復讐の意思を縛っていた、ナルトとの繋がりを描く。湿っぽいという形容する似合うくらいにエモーショナルな演出で二人の関係が今一度描かれるのですが(ナルトとサスケが互いを似た者同士として意識していたの、最高の湿度)、むしろそれほどまでじゃないとこれまでの二人には釣り合わないという説得力があるんですよね。だって二人は、仲間として多くの苦難を乗り越えてきたのだから。

 そんな、サスケの中の相反する二つの要素を独自の筆致でとことんまで描き切ってくれたことに、自分は胸を打たれてしまいました。心情描写の丁寧さが凄まじいのも『NARUTO』の良いところだよなー。

 

 

第7位 ネジVS鬼童丸

NARUTO―ナルト― モノクロ版 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 サスケ奪還編、先ほど語ったように最後のナルトVSサスケは本当に好きな一方で、実はその過程のバトルはあまり刺さらないのが多かったんです。「せっかく同期の実力者を集めたチームで出撃したのに、結局は『ここは任せて先に行け』が多すぎてチームプレイもへったくれもなくなってる」「大蛇丸の手下を倒す方法で『命をかけて実力を解放して相打ちを狙う』でチョウジとキバが被ってる」というのが気になって、正直中盤まではあまり集中して読めていなかった。最終的には、チームプレイのなさはリーダーとなったシカマルの司令塔としての未熟さなんだと回収され、バトル内容の単調さも終盤のリーや我愛羅の参戦による盛り上がり、先述のナルトVSサスケのエモさで押し切られる形にはなるのですが、そんな風に不満が多かったサスケ奪還編中盤で個人的に唯一ぶっ刺さったのがこのバトル。

 白眼による圧倒的な視界把握能力を持つネジと、単純な速度と殺傷力では勝る鬼童丸。そんな拮抗した実力の二人が、その平等な関係をスキをついてつき崩さんと、互いの能力や意図を探り合う攻防がとにかく面白いんですよね。他の戦いが割とゴリ押し要素の占める割合が多かっただけに、細かく定義された能力の中での削り合いと読み合いが本当に見応えがあって。加えて、作中の瞳術だとどうしても写輪眼や輪廻眼の方にお株を持ってかれがちだった白眼のチート性能も存分に発揮されていて、そういう意味でも満足度が高い。

 あとやっぱり、決着の時のネジの「オレは常に天才と呼ばれてきた…だから負けるわけにはいかない」「凡小なオレを天才と信じているあいつらの為にもな…!」が良すぎるのも大きいですねえ。総括の方で書いたように、ネジというキャラクターにはかなり思い入れがあるので特に刺さる。この台詞が最期の時のにも繋がってくるのがね……。

 

 

第6位 ロック・リーVS我愛羅

NARUTO―ナルト― モノクロ版 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 ロック・リー。どうしても青年編以降の本筋への関わらなさすぎて総括の方ではあまり話題に出来なかった彼なんですけど、それでもらなんとか一言言及をねじ込んだように、自分めちゃくちゃ好きなんですよ。『NARUTO』でも一二を争うくらいに好きなキャラクターで。そんな彼が主に活躍を見せていた少年編、その中でも屈指の盛り上がりを見せる戦いがここでランクインです。

 いやー、やっぱりベタだけどいいんですよね。この時点での我愛羅は格が違う強さを持っていて、それこそナルトでもサスケでもかなうかどうか……というレベルだったのに、リーが決死の覚悟でもって立ち向かう。それまでは大蛇丸の手下にとどめを刺し切れなかったり、その暑苦しい性格も相まって魅力的だけど実力では一歩届かないくらいのポジションだったリーが、自身の限界を解き放って我愛羅を圧倒する。その力はとんでもない代償を支払ってのものなのですが、そのベタな設定もやはり刺さる。

 最終的にリーは敗北してしまい、しかも忍者として戦うことができない身体になってしまう(それが綱手と合流後の治療のエピソードに繋がる)のですが、それでもやはり、リーの活躍は自分の心を熱くしてくれました。リー自体の努力でもって限界を突破していくのが非常にらしくて良いなあと。こういう、実力差を覆して格上をあっと言わせる展開、好きです。

 

 

第5位 ナルトVSサスケ(ラスト)

NARUTO―ナルト― モノクロ版 72 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 言わずもがなのラストバトル。

 これまためちゃくちゃベタではあるんですけど、こういうのが、ほんとに、好きなんですよ……。同じ舞台で、しかしどうしようもなく時間が経って力も覚悟もより強くなった二人がぶつかり合う構図も、大筒木カグヤというラスボス戦を乗り越えた先にライバルとの決着をつけるクライマックスも。で、そのうえで、単なる僕の「好き」で留まらず、『NARUTO』の最後の決着として120点の描写をしてくれたのが本当に嬉しくて。
 孤独だった少年時代から努力でもって皆との繋がりを紡ぎ認められていったナルトと、普通の子どもだったのに全てを失いそのうえで様々な出来事を経て「自分と他者の繋がりを全て断ち切る」「過去との繋がりを断ち切って新しい時代を作る」という理想を持つに至ったサスケ。少年編では孤独を抱えていた二人の「繋がり」の話として展開された物語が、火影へのスタンスを通じて作品のテーマである「継承」の対比と重なってくる構図には膝を打ちました。

 加えて、それでも最後にはナルトとサスケの関係性に帰結してくるのが、自分としては感謝と納得しかなかったです。「サスケは友だからこそナルトを討つ」「ナルトはただ純粋な友情からサスケに手を伸ばす」構図を最後まで変えず、サスケのナルトに対する感情の変化を語ったモノローグで締めた結末が、とにかくナルト×サスケの個人としての繋がりや友情を忘れずに丹念に描き続けた『NARUTO』の最後の戦いとしてあまりに真摯であまりに相応しかったと思う。血で若いの印を結ぶ演出も湿度高すぎて好き……。

 

 

第4位 忍連合軍VSオビト

NARUTO―ナルト― モノクロ版 64 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 総括ブログの方では、オビトの言葉とネジの死を通して描かれる「継がれたものを取りこぼしてしまったら」「繋がりを失ってしまったら」という恐れと、その痛みを受け入れ「忍び耐え」たうえで前に進んでいくというナルトの答え、「継承」のテーマに関わるそれらに注目して語ったこのシーン。でも一方で僕的には、先ほど触れたロック・リーの青年編唯一にして作中でも屈指の活躍としても、一連の流れがめちゃくちゃ好きなんですよ。ヒナタの言葉を受けて悲しみを乗り越えたナルトが九尾のチャクラを皆に分け与え忍連合全体を強化・皆と共にオビトに対して一気に反撃に出る中で、最後にナルトの横にリーが立つ。

 同じ班の仲間として、お互いに認め合うライバルとして、これまで共に戦ってきたリーとネジ。そんな仲間の死を前にリーは悲しみに沈んでしまうもののの、逆に仲間でライバルだったからこそ、生前の彼の想いを継いでオビトへの反撃の最後の一撃を担うんですよね。少年編では我愛羅との決戦にその時の代償を治すための手術、死のリスクがあるそれを乗り越えてのサスケ奪還編での加勢と、同期だとナルト・サスケ・サクラに次ぐレベルの活躍を見せていただけに青年編の影の薄さはほんとに残念だったんですけど、自分的にはこれだけで割と許せるくらいには満足してしまいました。若干唐突だったネジの死もリーの悲しみを通してやっと肉付けされたような感触もあるし、少年編でしっかり描かれていた二人の関係性をここに来て活かしてきたのにも素直に燃える。

 色々言われがちなシーンでもあるんですが、僕はやはり好きだと言わざるを得ない。自分自身のテーマに向き合ってくれて、リーにネジとの関係性を踏まえた活躍を与えてくれて、本当にありがとう……。

 

 

第3位 ナルトVS我愛羅

NARUTO―ナルト― モノクロ版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 自分に共感しながらも似た環境を自らの努力で覆してきたナルトの言葉と想いが我愛羅に伝播する結末、それとヒルゼンが自らの死にすら臆すことなく受け継がれていく「火の意志」を語る場面が並行することで「継承」のテーマの証明になる演出が最高だということは総括で語ってしまったのでもうそれ以上言うことがないんだけど、本当に良いんですよ、このシーン。中忍試験編から通しで入ってきて、とにかく盛り上がりに盛り上がった木ノ葉崩し編のラストとして、一切の失速を感じさせず、しかしあまりにも綺麗にズバッと物語をオトす手腕に何度読んでも惚れ惚れしてしまいます。

 最初に言っておくと、トップ3は全部総括ブログでも触れたシーンになるので文字数が少ないです!!

 

 

第2位 ナルトVSペイン

NARUTO―ナルト― モノクロ版 48 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 個人的にあまり戦闘シーン自体は好みではなかったんですけど、その後のペインこと長門との対話が深く深くぶっ刺さったのでこの順位に。そもそも自分は「平和のために何かを犠牲にせんとする敵」「それでも大切なものを失わないまま平和を作ってみせると未来に誓う主人公」の構図が好きなのですが、少年編から描いてきた自来也というキャラクターと、彼らを取り巻く関係性の中であそこまで丁寧に描かれてそりゃ好きにならないわけないよね……と。

 主人公につけられた「ナルト」の名前が大きく意味を持って読者に突きつけられる展開もとにかく良くて、あんまり名前上がらないけど個人的には作品のタイトル回収(と言っていいのかはわからないけど)の中でもかなり印象に残ってます。先述の通り戦闘シーンはしっくり来なかったから爆発力こそ感じられなかったものの、その綺麗すぎる決着にじんわりと余韻が染みていくような名シーンでした。

 

 

 

 

そして、栄えある(?)第1位は……!

 

 

 

 

第1位 ナルトVSネジ

NARUTO―ナルト― モノクロ版 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 やっぱりこれよ。やっぱりこれなんすよ。総括ブログと全く同じになってしまうけど、やっぱりこのシーンは外せない。今回読み返すことになった以前に確か原作『NARUTO』を少し読む機会があって、その時もこのシーンで感動した覚えがあるから実は期待したうえで読んだりしていたのですが、それを上回る感動と気づきを僕にくれました。自分と似た面を持ち世界に絶望した誰かに対して、ナルトが努力と成長でもって変わる世界を指し示していく。『NARUTO』の根本的な面白さとメッセージを内包した物語はあまりにも一挙手一投足に痺れるほどのパワーを持っていて、台詞に、構図に、戦術に、片っ端から心を動かされる。

 きっとずっと、僕は二人の戦いを見届けた時の熱を忘れないだろうなあと思います。

 

 

 

 

 以上、『NARUTO』好きなシーンランキングでした。書く前からなんとなくわかっていましたが、後半からは一度触れたものばかりになってしまいましたね。まあ好きなシーン語るだけの話だから当然と言えば当然なのか……? まあとにかく、そんな感じの出来ですが楽しんでいただければ幸いです。

 とりあえずは『NARUTO』を語り切れて、満足……!