石動のブログ

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『仮面ライダー電王』本編の出来事を時系列でまとめる

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 はい、タイトル通りの記事です。ついさっき、仮面ライダー電王最終回を視聴して、その素晴らしさに打ち震えたわけですね。「良太郎達との日々が、その思い出が、モモタロス達をつなぎとめた」っていうエモすぎる展開で、『電王』らしいハッピーエンドを導きながらちゃんと「過去が時間をつくる」というテーマを掘り下げたり、最後まで桜井さんが「桜井さんの記憶が入ったカードを使い切ることで、侑斗は自分とは違う(存在が消えたりしない)人生を歩むことができる」、とゼロノスの設定を上手く使ったアクロバティックな展開を見せてくれたり、とにかく最高。まさに「クライマックスは続くよどこまでも」だったなあ、と。

 早速本筋からズレた話を長々としてしまいましたが、今回の記事では、『電王』本編の出来事を時系列でまとめておこう、という話です。なぜそんなことするのかというと、一つは世間的な評価の意味で。というのも、『電王』終盤の展開って、「よくわからん」と言われることが多いんですけど(少なくとも自分の知り合いはそう言ってた)、自分はそこまでかなあ、という感じで。言うほど(勿論、見ててややこしいなあとはちょっと思う)難しくはないような気がするんですね。二つ目は、自分の備忘録的な意味で。言うほど難しくはないけど、記憶力のない自分があのロジックを覚えていられるか心配で、それこそ電王のテーマがテーマなので、できるだけ覚えていたいわけです。

 というわけで、やって行きたいと思います。前置きをしておくと、これはあくまで僕自身の解釈や推測が入ったものであり、『電王』公式で「具体的にこのような話である」、とされたものではないので、そこんところよろしくお願いします。




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※まず最初に用語解説(というか自己解釈)
特異点
…電王になれる存在。時間の中の存在は基本的に人の記憶によりつなぎ止められているが、その時間が大きなダメージを受け丸ごと消滅した場合、攻撃に巻き込まれず生存しその時代に残っていた特異点の記憶を元に世界が再生される。この設定が割とキモになっている。

・分岐点
…時間の流れがどこへ行くか決定づける存在。今回はハナ(コハナ)が分岐点の役割を担っていて、彼女が消されるとイマジンの未来へ、生き残ることで正規の未来へと時間は繋がる。

デンライナー&ゼロライナー
…時間の運行を守る使命を受けた、時をかける電車。それぞれ電王とゼロノスという専属の戦士がおり、時空を歪めようとする者と戦う(デンライナーとゼロライナーが現れたということは、イマジン達の未来は本来の歴史には存在しない)。

・イマジン
…何かしらの要因により時間の運行が乱れ、新しく生まれた時間の住人達。何かしらって具体的になんやねんと問われても本編内の描写だとなんとも言えないのが正直なところ。カイは誰なのかとか、なんで時間を行き来できるのかとか、そういったことは全くもってわからない。人のイメージがないと実体化できないのは、まだイマジン達の未来に繋がることが確定しておらず、彼らの存在が可能性に過ぎないからだと思われる。



①少し先の、ハナが暮らす時間。そこでは、イマジンなど現れず、デンライナーがやってくることもない、平和な時間が続いていた。

②しかし、何かしらの要因でイマジン達の未来が生まれ、その影響でハナの未来は一時的に消滅、分岐点の鍵(というか分岐点そのもの?)であるハナと、ゼロライナーだけが残る(オーナーの感じからすると、時間が分岐すること自体はそんな珍しいことでもない?)。

③ハナはデンライナーに保護され、ゼロライナーは自身の意思、もしくはハナ未来の誰かによって過去(良太郎達の時間)に飛び、分岐点たるハナの両親たる桜井さんと愛理さんの前に現れる。

④ゼロライナーの中に書置きでも残してあったのか、桜井さんと愛理さんは事態を完全に把握する。そして、ハナのいる未来に繋ごうと決意する。

⑤完全に覚悟を決め、失われたハナ未来へと現在を繋げる計画を練った愛理さんの元に、46話に未来からきた良太郎とアルビノレオイマジンが姿を現す。良太郎と侑斗、さらにゼロノスに変身した桜井さんの協力によりアルビノレオイマジンを倒した後、愛理さんはその良太郎に全てを、ハナ未来に繋げるために二人が色々やっていたことを話した。

⑥それを聞いて全てを思い出した良太郎。彼らがデンライナーに乗った直後、カイとイマジン達が姿を現し、分岐点となる人物を破壊して自分達の未来につなげるため、あの謎ビームでその時間を灰にする。だが、そこには45話に未来から来た(愛理さんの赤ちゃんのことを覚えていない)良太郎がいたため、その記憶をもとに、特異点としての性質で(良太郎が覚えていないため)「ハナが存在しない」世界が構築される(これにより、一時的にハナ未来が消滅?)。桜井さんはゼロノスのチケットを使ってその時間の良太郎から「愛理さんは桜井さんの子どもを妊娠している」という「桜井さんに関する記憶」を消し、さらにデネブと契約してゼロライナーとベルトとチケットを過去の自分へと届けた。そして、自分を分岐点と思わせるために過去を飛びまわるようになった(方法は不明。ゼロライナーとか?)。

⑦良太郎の暮らす時間。愛理さんは記憶を失って、桜井さんのことを覚えていなかった。カイの命令でイマジン達は行動を開始し、人間の記憶を頼りに過去へ飛ぼうとする。

⑧ほぼ同時期に、良太郎の前にデンライナーが現れ、良太郎は電王として戦うことになる(⑤の愛理さんのセリフ的に、愛理さんと桜井さんはこのことも知っていた様子。もしかしたら、ゼロライナーにメッセージを残したのは未来の良太郎かもしれない)。戦闘の能力が全くないため苦戦するも、イマジンの中でも変わり者な(カイの命令を聞かない)モモタロス、ウラタロス、キンタロスリュウタロスと力を合わせて、なんとかやっていく。

⑨しばらくして、良太郎は過去で桜井さんに出会い、モモタロス達はその過去を知る。桜井さんがイマジンとの戦いに何かしら関わっていたことが明らかになり、桜井さんを探し始めようとした良太郎の前に、侑斗が姿を現す。

⑩デネブと桜井さんの説明で大体のこと(桜井さんが特異点ではないこと等)を知っていた侑斗は、良太郎に「やめとけ」と忠告する。その後いざこざがありつつも、仲間としてやっていくようになる。

⑪イマジン達との戦いが続く。途中で牙王がデンライナーをハイジャックしたり、ウラタロス達が消えそうになったり、クライマックスフォームができたりするが、恐らく本筋にはそこまで影響がないため割愛。

⑫終盤、ハナ未来とイマジン未来の分岐点が近づいてきて、ハナが子どもの姿になり、新たな路線が生まれる。また、イマジン未来と良太郎の未来(ハナ未来)は異なるため、良太郎とモモタロス達のつながりが薄くなり、過去では変身が解除されたりするようになる。それに対応するため、ライナーフォームが誕生。

⑬カイも姿を見せるようになり、良太郎も桜井さんの行動に疑問を持ち始め、ターミナルの駅長に新たな路線について調査を依頼。また、桜井さんの分だけだとチケットが足りなくなったので、侑斗の記憶を使って変身するゼロフォームが登場。

⑭ターミナルの駅長によると、桜井侑斗を分岐点の鍵とすることには疑問があるらしい。もしそうならば、侑斗が自らの存在を消費してまでゼロノスに変身することに矛盾がなくなる。しかし、桜井さんが逃げる理由もなくなるわけで、そこで桜井さん失踪の唯一の手がかりとなっている良太郎の記憶にも疑問が生まれる。

⑮さらに、カイの発言により、イマジン達の野望が阻止されるとモモタロス達も消えることが判明する。良太郎は迷うも、戦うことを決意した。また、カイは良太郎の記憶が抜け落ちていることに気づく。

⑯自身の記憶の欠落に気づいた良太郎は過去に飛ぶが、カイの攻撃によって消滅する世界を目撃。世界は再構築された(⑥参照)が、良太郎は侑斗から「桜井さんは自分を分岐点の鍵だとイマジン達に思い込ませるため逃げ回ってた」ということを知り、カイもその事実に気づき、過去にイマジンを送り込むも、二人のゼロノスと電王によって阻止される。

デンライナーの中で、愛理さんの話から全てを知り、思い出す良太郎(⑥参照)。そして、彼は戦う覚悟を決めた。

⑱カイは時間を壊すため、大量のイマジンを発生させる。何度も良太郎達はピンチに陥るも、キンタロス、ウラタロスのおかげでなんとか良太郎の時間に戻ってこれた。

⑲良太郎とモモタロスは戦うも、あと一歩及ばず、カイの謎ビームが炸裂する。しかし、分岐点の鍵であるコハナが存在するため、イマジン達の未来にはつながらない。侑斗もデネブから受け取った桜井さんの最後のチケットを消費して変身(これにより桜井さんの存在は消えて、侑斗は桜井さんのような人生を歩むことはなくなる)、全員の力を合わせてデスイマジンを倒し、カイも消滅した。

⑳良太郎の時間がハナ未来とつながったことにより、全てのイマジン達が消滅したが、モモタロス達だけは、良太郎達との思い出により存在をつなぎとめられていた。本編で描写はないが、特異点である良太郎の記憶を基点に破壊された街も復活した(このときの良太郎は愛理さんの赤ちゃんのことを覚えているため、再構成時にハナ未来につながった?)。良太郎はデンライナーを降り、ハナ未来へと走っていくデンライナーを見送った。
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 長かった…。
 「時系列的にまとめる」と謳いながら時系列順になってなかったり、「恐らく」とか「?」がやたら多かったりしますが、大まかな流れはこんな感じなんじゃないかな、と。こう見るとなんだかんだでややこしいですが、本編だけでこんなにも複雑な謎解きや伏線回収を行ったのはやはりすごい。改めて、小林靖子さんの技量を実感しました。
 本当は、ここから冒頭のように『電王』の語りたいところを書き連ねていきたいのですが、まとめが思ったより長くなったのでやめておきます。というか、ここまで書いて力が尽きました(貧弱)。


 『電王』、最後までクライマックスだったぜー!