石動のブログ

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『SSSS.DYNAZENON』第6回「この切なさって、なに?」 感想

この切なさって、なに?

 どうも、石動です。

 遅くなってしまいましたが、ダイナゼノン6話の感想いってみたいと思います。よろしくお願いします。

 

前回の感想はこちら

sasa3655.hatenablog.com

 

 

 

心地いいまでのギスギス展開

 いやー、今回は辛い話でしたね。これまで基本的には上手くいっていたキャラクター達の関係にひびが入り、それが戦いにも悪影響を及ぼす。王道な展開ではあるんですが、それを描いていく過程があまりにも生々しくて……リアルな空気感の演出がここまで視聴者の心を蝕む方向性に進化しようとは……。

 まずそれを一番感じた夢芽から語っていくと、お姉さんの同級生から見せてもらったドッキリ動画を見て判断に迷い、蓬を当てにしようとした時に彼が女友達に絡まれるのを見て、少し距離を感じてしまったんだろうな、という感じでした。(自分から選んだ道とはいえ)クラスで孤立し、友達もメガネちゃんしかいない夢芽。友達が沢山いて、何か後ろ暗いものも持っておらず、優しくて常識人な蓬。本当は蓬も夢芽と同じように世界へのストレスを溜め込んでいて、むしろそれに向き合うことも発散することも長い間してこなかった分夢芽より欠けた部分もあったりするんですけど、そこまで深い関係になっていないせいで夢芽は気づかず……と。第4回の感想で語った互いへの影響は無意識下で行われてるものだろうし、そもそも蓬は自分のこと全然話さないし、(ネットの感想見て初めて気づいたけど)女友達の一人が蓬に絡むときに夢芽を目で牽制してたし、一歩引いてしまうのは仕方がないかなという感はある。

 ただ、本当に、本当に仕方なくはあるんだけど、二人にはちゃんとこれを乗り越えて欲しいというか。二人の仲がこじれてるのは、互いの気持ちをいまいち理解できていないところが大きいと思うんですよね。夢芽が、お姉さんがいじめを受けていたかもしれないこと、お姉さんのことを話してくれた先輩がそれに加担していたこと、その可能性をどう考えればいいのかわからないこと、そして蓬から距離をとろうとした理由をちゃんと話す。蓬がその言葉をちゃんと受け止め、かつて言いそびれた、夢芽の力になりたいという想いを伝える。高校生って本当に難しい時期で、そんな単純に行動に吹っ切ることはできないのかもしれないし、相手どころか自分の感情がどうなっているのかすらわかっていないのかもしれない。でも、それでも、二人なら乗り越えられると思うんです。僕が書いたほどじゃないにしても、その想いの一端でも言葉にすれば前に進める。これまで描かれた二人の愛情があればできる、と(よもゆめ廚の戯言)。

 

 ただ、微妙に解決策が見えないのが暦とちせでなんですよね。暦はちせへの気まずさに加えて人妻同級生関連のモヤモヤも抱えてる。後者はもう本当にどうにもならないというか、彼が就職するぐらいしか道がないように思えるし(もしかしたら二人の過去にもう一悶着あるのかもしれませんが)、前者の方は二人の関係が詳細に描かれていないため不安度が高い。暦→ちせは大したことないというかあくまで懐いてきた親戚、って感じに見えるのですが、今回の描写からするとちせ→暦が想定の十倍くらい重い。

 僕としては、ニートという自分と同じ社会不適合者のレッテルを貼られた、彼女の世界の中で最も自分に理解がある人間だから、ちせは暦に懐いているのだと思っていたんです。ただ、それだとムジナさん突撃で二人がギスギスしてるのが説明がつかなくなる。保護者的な存在が異性と触れ合うのを見て嫌悪感を抱く、という蓬パターンだったらまだいいんですけど、あの怒りようと気まずさからしてもしかしてそれ以上の感情があるのか……?

 いや、僕の妄想なんですけどね。妄想の範疇を出ない邪推に過ぎないんですが、これが当たってたらさらにややこしいことになるな、と……まあキャラクターがモヤモヤギスギスドロドロするのは大好物なので個人的にはそうであって欲しいけども……。

 

 ともかく、必殺技の掛け声や名乗りが揃ってない演出が示していた通り、「みんなで力を合わせれば強くなれる」ということは「みんなの心がバラバラだとまともに戦えない」ということでもあると、キャラクターにも視聴者にも実感させた回でした。蓬は、夢芽は、暦は、ちせは、この壁を乗り越えられるか。

 

 

アンチ君!!!!!!!グリッドナイト!!!!!!!!

 はい、そうです。まさかのアンチ君登場。興奮しましたよ、ええ。『SSSS.GRIDMAN』でも6話は世界の謎が一気に解き明かされた回だったので心の準備はしていましたが、そんなものは軽く吹き飛びましたね。彼の登場というサプライズそのものもさることながら、それに施された演出が良すぎた。

 続編主人公のピンチに突如空より飛来し、夕日を前にした状態で無言のままその背中を見せつける。くう……なんて「わかってる」制作陣なんだ……前作ヒーローの登場として完璧……。

 加えて言うと、アンチ君、前作ではグリッドマンを倒すためにアカネにつくられた怪獣として登場し、戦いの中でキャリバーさんや六花と交流し、そして自分の持ち合わせていた自我を確固たるものにしたうえで新たなヒーローに覚醒するという、成長の過程が丁寧に描かれたキャラクターだったので、正直グリッドマン本人が出てくるよりも嬉しいと感じてしまうんですよね。最終回でもアカネ怪獣を撃破するほどの大活躍、アニメパートも彼の顔のアップで終わる、という扱いの良さで、『SSSS.GRIDMAN』のヒーローといえば彼ですし。本当にテンション爆上がりでした。

 

 あと、アンチ君の登場からほぼ確定かなと思うのが、『SSSS.DYNAZENON』は『SSSS.GRIDMAN』と同じコンピューターワールドでの出来事なんじゃないかなという説。アンチ君は前作最終回でアニメで表現される世界=コンピューターワールドに居残っていたので、この説が事実である可能性はグンと高まりましたね。住人達が過去ツツジ台に(ベノラが殺されてから)現れた怪獣を覚えていないのが気になりますし、もしかしたらアンチ君もハイパーエージェントになっただけかもですが……。

 

 

 

 というわけで、ダイナゼノン6話の感想でした。とにかく次回が楽しみ、その一言に尽きます。ありがとうございました。

 

 

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