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『SSSS.DYNAZENON』第8回「揺れ動く気持ちって、なに?」 感想

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 どうも、石動です。今日は上の記事に続いて二回目の更新です。一日で二回書くなんて初めてです。次からはこうならないよう頑張ります。よろしくお願いします。

 

 

 

08 揺れ動く気持ちって、なに?

 今回、最後に夢芽が一歩踏み出して蓬を励まそうと行動した(前回自分を勇気づけてくれたからお返しかな? よもゆめ~!!)から綺麗なところに落ち着いたものの、話の中身としては意味深な描写や後で効いてきそうな出来事が多かったですね。蓬の脳裏にフラッシュバックしたコンピューターワールドっぽい情景、それの引き金になった「インスタンス・ドミネーション」というセリフ、そしてその言葉で怪獣を操ることができる怪獣使いという存在そのもの……。

 そもそも、「怪獣使いって、なに?」ってことなんですよね。人の抱えた世界へのストレス、即ち情動を受けることで生まれる怪獣。この怪獣誕生のメカニズム自体はなんとなく『SSSS.GRIDMAN』のアカネちゃんが自分の情動を怪獣の模型という作品に込め、それをアレクシスが具現化する、という流れに似ているのでなんとなく理解できるのですが、怪獣使いだけは前作には全く存在しなかったポジションに見える。第2回の感想で調べた通り、「Domination」というのは「支配」「優位」──上に立つ、みたいな意味で、作中の描写からしても怪獣優生思想が怪獣を操っているのは間違いない。

 じゃあ、どういう理屈で操ってるんだ? となるわけです。人の情動そのものである怪獣をコントロールするってことは、その怪獣を作り出した情動を自分のもので塗りつぶす、とか? 今回のアンチ君やアノシラスちゃんの説明によると、「怪獣の能力が未熟なのは、影響を与えた人間も未熟である可能性が高い」。つまり街全体とか国全体といった漠然とした巨大な人間の塊から影響を受けてるわけではなく、素となった情動にはある程度怪獣によって個性が見られるレベルの人数が関わっていると推測できる。それを上回る巨大な情動があれば、「怪獣が最も影響を受ける人間」が変わって、結果的に操れる、的な?

 どうして怪獣使いのメカニズムがそんなに気にかかるかというと、今回一瞬それを成功させたのが他でもない蓬だから。2話の感想からずっと言っているように、味方勢の中で一番情動を溜め込んでいるのは蓬なんですよね。クラスに友達がいて、一見一番充実した毎日をおくってそうな彼には他者に対してどこか冷めた部分がある。夢芽やガウマと出会ったことで積極的に他者と関わるようになった一方で、未だに自分自身のことは誰にも話してないんですよね。ガウマには自分の過去をみんなに打ち明けたし、夢芽は蓬の頑張りもあって心を開いているし、暦とちせはそもそも言葉がなくともある程度通じ合えるほどお互いのことをわかっている。そんな中、蓬だけが自分の内に抱えているものを明らかにしていない(時々お母さんと一緒に再婚候補っぽい人と会っているシーンが差し込まれるにも関わらず……)。それってつまり、蓬が根本的に他者を信用し切れてないからでは、と。

 そんな蓬が、「人間全員を殺すためにある」怪獣の力を一瞬とはいえ行使できた。この事実が、どうにも不安でならないんですよね……「インスタンス・ドミネーション」に反応した彼の記憶も併せて、終盤のとんでもない展開への布石に思えてしまうんです。

 

 あと、前回の「本当の怪獣使いは眠らないよ」というアレクシスみたいなセリフに加え、怪獣優生思想の中で唯一明確に寝ている描写がなかったり、色塗り怪獣の存在を誰よりも早く認識し、ガウマ達がそれを確保するのを見て(蓬がフラッシュバックに襲われたところも見ていた?)、まるで怪獣優生思想を遊びに連れまわして色塗り怪獣を認知させないことで「蓬が操られていない状態の怪獣を殺す」という結末を用意したように見える行動など、シズムの胡散臭さも今回で急に高まりましたね。ほぼ間違いなく黒幕じゃん……正体はわからないけど……。

 

 

 

 

 というわけで、ダイナゼノン8話の感想でした。展開予想と考察、ある意味妄想ばかり書き連ねてしまいましたが、蓬が怪獣を撃つ直前の切迫したカットバックとか、夢芽が「どこだっていいよ」と言って蓬の心に安らぎを与えた瞬間に夕日がバスの中に差してくる演出とか、映像面でも満足度はとても高かったです。このクオリティのまま最後まで楽しませて欲しいですね。僕も今回みたいに2週間遅れにならないよう気をつけるんで、どうか……読んでくださりありがとうございました。

 

 

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