石動のブログ

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『SSSS.DYNAZENON』第9回「重なる気持ちって、なに?」 感想

 どうも、石動です。

 今回も、ダイナゼノン9話の感想、いってみたいと思います。

 

前回の感想はこちら

sasa3655.hatenablog.com

 

 

 

 

 

09 重なる気持ちって、なに?

 今回の話でまず予想外だったのは、ちせが超いい子だったこと。これまでの話から分かるように、ひとりだけダイナゼノンに乗って戦うことなく、また各々が自分と向き合って成長し、他者と向き合って絆を深めていく中、自分だけが取り残されてるような疎外感を感じていた彼女ですが、それが強くなりすぎた結果作り出してしまった怪獣が、そして何より彼女自身が、現状をしっかり受け止めて行動していましたね。不登校になった何かしらの要因があった中学に突撃しようとするゴルドバーンを「これじゃ怪獣優生思想と同じだよ」と押しとどめ、再び自分の殻にこもってしまった夢芽に自分の正直な感情をぶつける。彼女の意思に従って動くゴルドバーンも人間を襲わないどころか夢芽を助けたり、とにかくいい子。

 ちせの寂しさから生まれたゴルドバーンがダイナゼノンやグリッドナイトを助け、合体してひとつになり、共に怪獣を撃退し、ガウマに「俺達はずっと一緒に戦ってきて誰ひとり欠けても勝てねえんだ」「お前とゴルドバーンもな」と存在を肯定され、抱えていた寂しさを解消させる。ゴルドバーンが登場してすぐに合体するって早すぎない?と最初は思ったんですが、誰ひとり欠けてはいけない、ということを強調するためのものだと考えれば納得です。

 そんでもって、そんな文脈も乗ったカイゼルグリッドナイトの合体シーンがかっこいいこと……逆光を浴びて仁王立ちするダイナゼノンとグリッドナイト、ゴルドバーンの能力でちゃんとグリッドナイトにダイナゼノンの各パーツが合うように調整する拘り、そして完成するゴテゴテ感が強いデザイン……特に縮尺関連の拘りは、『SSSS.GRIDMAN』でサイズを小さくしないとフルパワーグリッドマンになれない制約をつけることで怪獣やグリッドナイトとの高さを合わせたり、グリッドナイトがサイズが小さいグリッドマンキャリバーを装備して忍者刀のようにしていたのを思い出しました。

 また、ちせを肯定しただけじゃなく、夢芽を置いてきた蓬に発破をかけたり、グリッドナイト同盟を花火大会に連れて言ったり、今回のガウマさん(自分の中でいつの間にか「さん」付けになってた)、本当にいい働きをしていましたね。最初の方は無邪気さというか、大型犬みたいな雰囲気を纏っていたガウマさんでしたが(それでも夢芽に怒って彼女が蓬に関わるきっかけになったりはしていた)、7話で嫌いな人を助けたと語る暦に優しい言葉を投げかけたあたりからみんなのお兄さん感がすごい。5000歳上という事実があるので説得力も半端ないし。

 ちせ関連の話が良かったのとは対照的に夢芽の話はかなり詰め込んでる感が出てて残念だったんですが(香乃の死について語りすぎないやり方で手がかりを示していたのは良かったです、今回の夢芽みたく事故死で、元カレはそれを真横で見たりしていたんじゃなかろうか……)、その不満もラストのみんなで花火やるシーンが良すぎて吹き飛びました。

 身を寄せあって線香花火を見つめるグリッドナイト同盟とか、浴衣を着た夢芽に見惚れる蓬とか、ゴルドバーンに「ありがとう」と伝える(推測)ちせを優しい顔で見つめる暦とか、高いところからみんなを見守るガウマさんとか、今作の良さが凝縮された画ばかりでした。夜の中の花火とそれに照らされるみんなの作画が綺麗。エンディング曲の『ストロボメモリー』も、アカネと六花しか映らない映像込みで魅力的に思えず毎回自分は見てなかった前作のエンディングと違って、曲自体の良さと味方の登場キャラ全員の日常と最後に集合する映像が合わさって既に最強だったんですが、今回の花火シーンでも流れたことでさらに強くなってしまった……観念してApple Musicの聴き放題でダウンロードしました……。

 

 

 

 

 というわけで、ダイナゼノン9話の感想でした。語り忘れたので今書くと、前作を意識したカットやセリフ(「俺にしかできないこと」、ダイナソルジャーが夢芽を退屈から救いに来たカット、かつてアンチ君がアカネを怪獣の中から引きずり出したようにグリッドナイトを引き上げるダイナゼノンなど……)が物語にシンクロするような形で配置されていたのも良かったし、詰め込んだ部分を勢いで押し切っていて見てて気持ちが良かったですね。前作に倣うなら、恐らく今回で一区切り、次回から最終章に突入するのかな? とにかく楽しみです。

 

 

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